クロザリル 国内臨床試験及び海外で認められた重大な副作用

無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症

通常、投与中止により回復しますが、致死的な転帰をたどることもあります。本剤の投与開始前より定期的な血液検査(白血球数、好中球数等)を行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置(個室管理や血液内科医による早期対処等)を行う必要があります。
本剤の投与量と発現頻度に正の相関は示されていません。1),2)
好中球減少症又は無顆粒球症の約70~90%が本剤投与開始18週後までに発現しているとの報告があります。3),4),5),6),7)

参考資料

1) J.M.J. Alvir, J.A. Lieberman, A.Z. Safferman, J.L. Schwimmer, J.A. Schaaf: Clozapine-induced agranulocytosis. Incidence and risk factors in the United States. N Engl J Med, 329, 162-167, 1993.
2) J. Munro, D. O’Sullivan, C. Andrews, A. Arana, A. Mortimer, R. Kerwin: Active monitoring of 12760 clozapine recipients in the UK and Ireland. Br J Psychiatry, 175, 576-580, 1999.
3) P. Krupp, P. Barnes. Clozapine-associated agranulocytosis risk and aetiology. Br J Psychiatry, 160, Suppl17, 38-40, 1992.
4) J. Munro, D. O’Sullivan, C. Andrews, A. Arana, A. Mortimer, R.Kerwin. Active monitoring of 12760 clozapine recipients in the UK and Ireland. Br J Psychiatry, 175, 576-580, 1999.
5) GL. Deliliers. Blood dyscrasias in clozapine-treated patients in Italy. Haematologica; 85, 233-237, 2000.
6) DL. Copolov, WR. Bell, WJ. Benson, NA. Keks, DC. Strazzeri, GF. Johnson. Clozapine treatment in Australia: a review of haematological monitoring. Med J Aust; 168, 495-497, 1998.
7) HS. Cho, CH. Kim, HS. Lee. Agranulocytosis and neuropenia in clozapine-treated patients with schizophrenia in Korea. Schizophr Res; 36, 274-275, 1999.

国内臨床試験で認められた無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現状況

国内臨床試験での無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現例数及び発現率を以下に示します。

国内臨床試験における無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現率

 投与患者数a)発現例数発現率 (%)
無顆粒球症

77

2

2.60

好中球減少症

77

6

7.79

白血球減少症

77

2

2.60

a)国内1301、1201、1202及び1203試験で本剤が投与された患者数

国内臨床試験で認められた無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の症例一覧

国内臨床試験で認められた無顆粒球症・好中球減少症・白血球減少症の発現症例一覧について下記に示します。

無顆粒球症・好中球減少症・白血球減少症発現例一覧(国内臨床試験)

性別
/年齢
副作用(Me dDRA PT)発現時治験薬投与量 (mg/日)発現時期(日目)持続期間(日間)重篤性重症度    処置
女/36好中球減少症

450

57

4

No

中等度

1

男/37好中球減少症

300

63

4

No

重度

1

男/41無顆粒球症

300

91

25

Yes

重度

1,2

女/43好中球減少症

200

29

4

No

重度

1

女/31好中球減少症

225

105

15

No

重度

1

女/37好中球減少症

200

71

3

No

重度

1

男/46無顆粒球症

400

57

10

Yes

重度

1,2

女/51白血球減少症

0a)

113

2

No

重度

1

女/28白血球減少症

450

1467

29

No

重度

1

女/29好中球減少症

300

706

22

No

重度

1

処置:1=有害事象のために治験薬の投与中止、2=薬物治療あり
a) 休薬時に発現しており、休薬前の投与量は100mg/日

海外における発現頻度(有害事象)

海外における発現頻度(有害事象)

アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアにおいて、無顆粒球症は1,600例に認められ、発現率は0.46%でした。好中球減少症は4,261例に認められ、発現率は1.23%、白血球減少症(白血球数減少を含む)は2,490例に認められ、発現率は0.72%でした。(ノバルティス社が収集・分析した1990年1月5日~2008年10月31日までの安全性データに基づく)

海外における無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現頻度

 投与患者数a)発現件数b)発現率 (%)
無顆粒球症

 

 

 

アメリカ

249,378

829

0.33

イギリス

50,866

358

0.70

カナダ

28,079

311

1.11

オーストラリア

18,032

102

0.57

合計

346,355

1,600

0.46

好中球減少症

 

 

 

アメリカ

249,378

1,652

0.66

イギリス

50,866

1,214

2.39

カナダ

28,079

798

2.84

オーストラリア

18,032

597

3.31

合計

346,355

4,261

1.23

白血球減少症c)

 

 

 

アメリカ

249,378

1,791

0.72

イギリス

50,866

315

0.62

カナダ

28,079

153

0.54

オーストラリア

18,032

231

1.28

合計

346,355

2,490

0.72

a) 1990年1月5日~2008年10月31日までに少なくとも1回クロザリルが投与された患者数
b) クロザリルとの関連性の有無にかかわらず発現した症例数
c) 集計には「白血球数減少」を含む

海外での無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現例(有害事象)における本剤との関連性及び重篤度

海外での無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現例における本剤との関連性内訳

 発現例数関連あり
n (%)a)
関連なし
n (%)a)
不明
n (%)a)
無顆粒球症

1,600

570
(35.6)

48
(3.0)

982
(61.4)

好中球減少症

4,261

1,205
(28.3)

471
(11.0)

2,585
(60.7)

白血球減少症b)

2,490

405
(16.3)

130
(5.2)

1,955
(78.5)

a) 各事象の合計に対する割合を示す
b) 集計には「白血球数減少」を含む

海外での無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現例における重篤度内訳

 発現例数重篤
n (%)a)
非重篤
n (%)a)
無顆粒球症

1,600

1,547
(96.7)

53
(3.3)

好中球減少症

4,261

1,844
(43.3)

2,417
(46.7)

白血球減少症b)

2,490

932
(37.4)

1,558
(62.6)

海外での無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現例(有害事象)における転帰
 

海外での無顆粒球症、好中球減少症、白血球減少症の発現例における転帰

 発現例数回復
n (%)a)
増悪
n (%)a)
軽快
n (%)a)
不変
n (%)a)
障害を伴う回復
n (%)a)
未報告
n (%)a)
不明
n (%)a)
死亡
n (%)a)
無顆粒球症

1,600

785
(49.1)

30
(1.9)

169
(10.6)

87
(5.4)

2
(0.1)

95
(5.9)

372
(23.2)

60 (3.8)

好中球減少症

4,261

1,974
(46.3)

43
(1.0)

413
(9.7)

214
(5.0)

7 (0.1)

199 (4.7)

1,386 (32.5)

25 (0.6)

白血球減少症b)

2,490

945 (38.0)

45 (1.8)

298 (12.0)

198 (8.0)

2 (<0.1)

100 (4.0)

848 (34.1)

54 (2.2)

a) 各事象の合計に対する割合を示す b) 集計には「白血球数減少」を含む

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