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クロザリル CPMSについて
CPMS導入の経緯
クロザピン錠は、1969年以降、多くの国で統合失調症治療薬として承認されていましたが、1975年にフィンランドにおいて発売後6ヵ月間で8例の死亡例を含む16例で無顆粒球症の発現が報告されたことから、各国で一時販売中止あるいは開発中止の措置がとられました。
その後、本剤投与によるリスク・ベネフィットが再度評価され、適応を「治療抵抗性統合失調症」に限定し、定期的な血液モニタリングを実施するなど、厳しい管理下で本剤の使用が再開されました。既承認国では承認内容が見直されるとともに、現在はクロザピン製剤として多くの国で、治療抵抗性統合失調症治療薬として承認されています。
米国、英国、オーストラリア等ではClozaril Patient Monitoring Serviceと称する制度(医療機関、医療従事者及び患者を登録し、血液検査の確実な実施と処方の判断を支援する)を導入しており、本剤投与中の無顆粒球症の発現又はその予兆の早期発見や発現時の早期対応に効果をあげています。
わが国でも、クロザリル錠を発売するにあたり、好中球減少症・無顆粒球症及び耐糖能異常の早期発見及び重篤化回避を目的とし、患者様の安全性確保策の根幹をなす制度として、クロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)を導入しました。(「1. 警告」、「8. 重要な基本的注意」の項参照)
クロザリルの開発について
1958年 | クロザピンの合成 |
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1969年 | オーストリアで承認 |
1975年 | フィンランドで8例の死亡例を含む16例の無顆粒球症の報告 →主要国で開発・販売中断 |
1976年~ | 定期的な血液検査を義務づけ、一部の国で開発・販売継続 →無顆粒球症に伴う死亡例は減少 難治例にも有効 錐体外路系副作用・遅発性ジスキネジアの発現頻度が低い |
1984年 | 「治療抵抗性統合失調症」のみに適応を絞り、アメリカで開発再開 |
1989年 | アメリカ、イギリスで承認 → 現在、クロザピン製剤として多くの国で承認 |
1996年 | 海外での状況を考慮して、国内臨床試験の開始 |
2009年 | 承認 |