教えて、先生!

Q.日本人は食塩摂取量が多いといわれていますが、どうなんでしょうか?

20歳以上の成人を対象とした厚生労働省の調査2)によると、日本人の1日の食塩摂取量の平均値は10.1gとされています。ここ数十年の間に減ってきたものの、世界の中では依然として食塩摂取の多い国です。これには日本の伝統的な食文化、しょうゆ、みそ、漬物、塩蔵魚など、塩分の多い食品を多く摂る習慣が影響しています。

私たちは以前、日本、中国、英国、米国の4ヵ国共同で食塩の摂取源を調べたことがあります。この研究3)では、1日の食塩摂取量は中国が最多で、日本が2番目でした。また、その摂取源は英米ではパンや肉類が多かったのですが、日本は1位がしょうゆ(20%)、次いで漬物類(10%)、みそ汁(10%)、調味料としての食塩(9%)、魚(9%)でした。さらに調味料と加工食品に分けて見てみると、それぞれ約40%ずつという結果になりました(図)。
調味料は量を調節することができますが、漬物や干物などの加工食品は塩分の調節が難しいです。伝統的な食品に加え、塩分の多い加工食品の増加が食塩摂取量の増加につながっていると考えられています。

 

図 日本人の食塩の摂取源

 

 

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40~59歳の男女計1,145人を対象に、1996~98年にかけて調査した。

 

 

Anderson CAM, et al. J Am Diet Assoc 2010; 110: 736-45より改変、作図

2)厚生労働省. 令和元年国民健康・栄養調査https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html

3)Anderson CAM, et al. J Am Diet Assoc 2010; 110: 736-45

 

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教えてくださったのは

滋賀医科大学NCD疫学研究センター教授

三浦 克之 先生

 

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