タブレクタ錠（一般名：カプマチニブ塩酸塩水和物、以下、本剤）は、間葉上皮転換因子（mesenchymalepithelial transition factor：MET）に対する選択的な経口阻害剤です。METは受容体型チロシンキナーゼであり、MET遺伝子変異は非小細胞肺癌の発癌ドライバー因子であると考えられています。MET遺伝子変異によって生じるMET経路の制御異常が、腫瘍細胞の増殖、生存、浸潤及び転移、並びに腫瘍血管新生を促進すると考えられています。

本剤は、METを治療標的とした抗悪性腫瘍剤として開発され、METを選択的に阻害することにより、腫瘍増殖を抑制すると考えられています。

本剤の国内における使用経験は限られており、これまで実施された臨床試験においては、間質性肺疾患、体液貯留、肝機能障害、腎機能障害等の重大な副作用が認められていることから、使用に際しては十分な注意が必要となります。

適正使用ガイドは、「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する本剤の適正使用推進のため、適正な投与患者の選択、投与方法、投与期間中の注意事項、主な副作用とその対策等について解説したものです。本剤の適正使用と患者の安全確保の一助としてお役立てください。

なお、本剤の投与を受ける患者又はその家族に対しては、投与前に本剤の効果とともに、発現する可能性のある副作用とその対策等について十分に説明し、同意を得てから投与を開始してください。

本剤をご使用いただく際は、最新の製品添付文書と併せて適正使用ガイドをご熟読の上、適正使用をお願いいたします。また、適正使用ガイドに引用しているガイドライン等に関しては、最新の情報をご確認ください。