イラリス 臨床成績

「効能又は効果」、「用法及び用量」、「禁忌を含む使用上の注意」、「効能又は効果に関連する使用上の注意」、 「用法及び用量に関連する使用上の注意」については添付文書をご参照ください。

海外臨床試験
①全身型若年性特発性関節炎(第Ⅲ相/G2305試験)<海外データ>14,16)

(1)試験デザイン

目 的:
SJIA患者に対するイラリスの有効性及び安全性をプラセボを対照として検討する。

 

評価項目:
(1)有効性
1)主要評価項目:15日時点でAdapted ACR Pediatric 30を達成した患者の割合

2)副次評価項目: 

・15日時点でAdapted ACR Pediatric 50/70/90/100を達成した患者の割合
・29日時点でAdapted ACR Pediatric 30/50/70/90/100を達成した患者の割合
(2)安全性/忍容性

 

試験方法:
ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、単回投与、多施設共同試験

 

対 象:
目標症例数122例:1群あたり61例評価例数84例:イラリス群43例、プラセボ群41例
・2歳以上20歳未満の男女・治験組入時の2ヵ月以上前にILARの基準でSJIAと診断され、発症時の年齢が16歳未満・治験組入時に、疾患活動性の基準(2関節以上の活動性関節炎、初回投与前1週間以内の発熱 ; 38℃超が1日以上、CRP 30mg/L超)をすべて満たす

 

投与方法:
イラリス4mg/kg又はプラセボを単回皮下投与した。イラリスの最大用量は300mgとした。

 

試験スケジュール:

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解析計画:
有効性、安全性ともイラリスが1回以上投与されたすべての患者を対象とした。Adapted ACR Pediatric反応基準を達成した患者の割合については、層別因子で調整したCochran-Mantel-Haenszel (CMH)検定を用いて投与群間を比較し、片側検定のp値、共通オッズ比及びその両側95%信頼区間を算出した。

 

判定基準:国内臨床試験(第Ⅲ相/G1301試験)を参照
 

(2)患者背景

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(3)主要評価項目:15日時点でAdapted ACR Pediatric 30を達成した患者の割合

15日時点でAdapted ACR Pediatric 30を達成した患者の割合は、プラセボ群41例中4例(9.8%)、イラリス群43例中36例(83.7%)であった。オッズ比(95%信頼区間)は、62.29(12.68~306.07)であり、投与群間で有意差が認められた(p<0.0001、CMH検定)。

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(4)副次評価項目:15日及び29日時点でAdapted ACR Pediatric反応基準を達成した患者の割合

29日時点でAdapted ACR Pediatric 30を達成した患者の割合、15日又は29日時点でAdapted ACR Pediatric 50/70/90/100を達成した患者の割合は、いずれもプラセボ群に比較してイラリス群で有意に高かった(オッズ比はすべて>22、p≤0.0001、CMH検定)。

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(5)安全性

副作用はイラリス群43例中5例(11.6%)、プラセボ群41例中1例(2.4%)に発現した。
イラリス群の副作用の内訳は、気管支肺炎、斑状丘疹状皮疹、貪食細胞性組織球症、肝炎、好中球減少症、白血球減少症、アレルギー性浮腫、頭痛、水痘、浮動性めまい、そう痒症(各1例)であった。
プラセボ群の副作用の内訳は、疲労、口渇(各1例)であった。
本試験において死亡例は報告されなかった。
重篤な副作用はイラリス群のみで認められ、その内訳は気管支肺炎、白血球減少症、好中球減少症、肝炎、貪食細胞性組織球症、斑状丘疹状皮疹(各1例、いずれも同一患者)、水痘(1例)であった。
投与中止に至った副作用はみられなかった。

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