ジレニア 悪性腫瘍のリスク
- 悪性リンパ腫(頻度不明):悪性リンパ腫が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行ってください。
国内臨床試験で確認された悪性リンパ腫2例【国内データ】
Epstein-Barrウイルス感染によると考えられる
悪性リンパ腫およびリンパ増殖性疾患等により死亡した1例【国内症例】
【経過および処置】
本被験者は、国内第Ⅱ相試験でジレニア0.5mgを服用し、投与6ヵ月後のMRIで脳内に病巣を認めたが、その後、国内第Ⅱ相継続投与試験に参加し、ジレニア0.5mgの服用を続けた。その後、多発性硬化症再発が認められたため、ステロイドパルス療法を2回実施したが、脳内の病巣が拡大したため治験を中止した(合計服用期間は261日間)。その後、複数回のステロイドパルス療法と経口ステロイドの後治療が行われた。
治験実施計画書で定められた投与中止3ヵ月後のリンパ球数を含む検査では異常は認められなかったが、ジレニア0.5mg投与中止から約6ヵ月後に、悪性または非定型悪性リンパ腫が疑われる所見を認め、治験担当医師は「治験薬との関連が疑われる」と判断した。被験者はジレニア0.5mgの投与中止から約1年後に死亡した。その後、剖検が実施され、「脳びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(EBウイルス関連)」、「肺、腎および甲状腺のリンパ増殖性障害」、「皮膚T細胞性リンパ腫」と診断された。
社内資料:国内第Ⅱ相継続投与試験(D1201E1試験)〔承認時評価資料〕]
ジレニア0.5mg投与開始約3年後に悪性リンパ腫を発現した1例【国内症例】
【経過および処置】
本被験者は、12年間の多発性硬化症典型的な病歴とMRI所見を呈した後、国内第Ⅱ相試験でジレニア0.5mgを服用開始し、国内第Ⅱ相継続投与試験、さらに製造販売後臨床試験に参加し、ジレニア0.5mgの服用を続けた。服用開始から約3年2ヵ月後に左上下肢の運動麻痺、その1ヵ月後には右手の脱力が増悪、さらに複視や運動失調も発現し、脳内に造影される大型病変を認めたためステロイドパルス療法や血漿交換などを施行するも、期待する効果は得られなかった。服用開始から約3年5ヵ月後、小脳、大脳の大型病変の拡大と閉塞性水頭症を認め、ジレニア0.5mgの投与を中止した。ドレナージ留置と腫瘍生検を施行したところ「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」と診断された。服用開始から約3年2ヵ月後に悪性リンパ腫が疑われる所見を認めており、治験担当医師は「治験薬との関連は否定できない」と判断した。その後は化学療法を実施し、寛解状態となった。
[社内資料]