ジレニアについて

ジレニアカプセル0.5mgは、フィンゴリモド塩酸塩を有効成分とする経口のカプセル剤です。フィンゴリモド塩酸塩は、冬虫夏草の一種であるIsaria sinclairii由来の天然物であるマイリオシンの構造変換により得られた化合物であり、リンパ球が二次リンパ組織から移出する過程で重要な役割を果たしているスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体に機能的アンタゴニストとして作用して、リンパ球の移出を抑制し、多発性硬化症に対し治療効果を発揮する薬剤です。

本剤は、田辺三菱製薬株式会社(旧吉富製薬株式会社)による開発着手の後、ノバルティス社に技術導出され、国内ではノバルティス ファーマ株式会社と田辺三菱製薬株式会社が共同で開発しました。海外ではノバルティス社が単独で開発しており、2010年8月にロシアで最初に承認され、その後アメリカ、欧州など、90ヵ国以上の国または地域で承認されています(2021年7月現在)。

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国内において本剤は、多発性硬化症の治療薬として開発が進められ、2011年9月に「多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」の効能又は効果で承認を取得し、2021年9月に再審査期間を満了しました。

また、2023年3月8日付けにて厚生労働省より再審査結果が通知され、本剤の再審査対象の【効能又は効果】および【用法及び用量】について、カテゴリー1(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しない。)と判断されました。