ベオビュ 加齢黄斑変性(AMD)

本剤は国内外の第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験の成績を基に評価され国内承認されました。以下で紹介する臨床試験成績には、承認範囲外の試験成績が一部含まれています(OSPREY:C-12-006試験、HAWK:C001試験)。

海外第Ⅱ相試験(OSPREY:C-12-006試験)2、3)(海外データ)
試験方法と患者背景および治療対象眼の主なベースライン特性

2)社内資料:海外第Ⅱ相試験(OSPREY:C-12-006試験)[20200010]承認時評価資料
3)Dugel PU, et al. Ophthalmology 2017;124(9):1296-1304[20190562]
COI:本論文の著者のうち3名はノバルティスの社員である。著者にはノバルティスよりコンサルタント料/助成金を受領している者が含まれる。

試験方法

目的

12週〔治験薬を4週ごとに1回、連続3回投与(以下、導入投与)終了4週後〕のベオビュ6mg/50μL(以下、ベオビュ6mg)の有効性について、アフリベルセプト2mg/50μL(以下、アフリベルセプト2mg)と比較する。

試験対象

50歳以上で治療対象眼※1が未治療の活動性脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)を伴う滲出型加齢黄斑変性患者89例

※1

  • CNV領域が全病変面積の50%を上回る

  • 網膜内滲出液(intraretinal fluid:IRF)、網膜下滲出液(subretinal fluid:SRF)または網膜色素上皮下の滲出液〔sub-retinal pigment epithelium(sub-RPE)fluid〕が確認できる

  • 最高矯正視力がETDRS(early treatment diabetic retinopathy study)可読文字数73~23文字

試験デザイン

多施設共同二重遮蔽無作為化並行群間比較試験

投与方法

患者をベオビュ6mg群またはアフリベルセプト2mg群に1:1の比で無作為化し、各薬剤を4週ごとに3回導入投与した後、維持投与として32週まで8週ごとに硝子体内投与した。32週以降は、アフリベルセプト2mg群の患者はそのまま8週間隔投与を継続(40週及び48週に投与)し、ベオビュ6mg群の患者は12週間隔投与に変更した(44週に投与)。遮蔽性維持のため、ベオビュ6mg群では40週と48週に、アフリベルセプト2mg群では44週にシャム注射を実施した。また、維持投与の途中で、疾患活動性が認められた場合には遮蔽医師の判断により、投与間隔を変更してレスキュー治療として割り付けられた治験薬を投与することを可能とした。この方法により、遮蔽性は維持された。

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主要評価項目

最高矯正視力スコア※2のベースラインからの変化量(12週)

重要な副次評価項目

最高矯正視力スコア※2のベースラインからの変化量(16週)

その他の副次評価項目

  • 最高矯正視力スコア※2のベースラインからの変化量(4、8、20~56週の各評価時点)
  • 中心窩網膜厚のベースラインからの変化量(各評価時点)

※2 ETDRS文字スコア(ETDRS視力検査表を用いて測定開始距離4mで評価)

安全性評価項目

  • 治験薬の曝露状況〔各評価時点の治験薬投与患者の割合、8週間隔投与期間中(12~36週)の規定外来院における治験薬投与患者の割合〕
  • 有害事象(治療対象眼及び眼以外)

解析計画

主要評価項目・重要な副次評価項目

解析対象集団:

FAS as treated〔FAS(無作為化された患者のうち、治験薬が1回以上投与され、主要評価項目である最高矯正視力スコアについて、ベースライン値及び評価可能な投与後のデータを1つでも有する患者)のうち、実際に投与された治験薬に基づき解析する集団〕

解析方法:

投与群及びベースラインの最高矯正視力区分(<55文字、≧55文字)を因子とした分散分析(ANOVA)を行い、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)の両側80%信頼区間の下限が非劣性マージンの-5文字より大きい場合に、アフリベルセプト2mg群に対するベオビュ6mg群の非劣性が確認されることとした(有意水準は片側0.1)。非劣性の基準を満たした場合は優越性を検定することとし、投与群間差(ベオビュ6mg群-アフリベルセプト2mg群)の両側80%信頼区間の下限が0文字より大きい場合に、アフリベルセプト2mg群に対するベオビュ6mg群の優越性が確認されることとした(有意水準は片側0.1)。欠測値はLOCF(last observation carried forward)法を用いて補完した。

多重性の調整:

本試験は探索的試験であるため、αエラーの増大については検討していない。

その他の副次評価項目

解析対象集団:

FAS as treated

解析方法:

4、8、20~56週の各評価時点の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量について、主要評価項目と同様の解析を実施した。各評価時点の中心窩網膜厚のベースラインからの変化量について、投与群及びベースラインの中心窩網膜厚区分(<400μm、≧400μm)を因子として、主要評価項目と同様の解析を実施した。

安全性評価項目

解析対象集団:

SAF(無作為化された患者のうち、治験薬が1回以上投与された患者を、最初に投与された治験薬に基づき解析)

解析方法:

治験薬の曝露状況は、各評価時点の治験薬投与患者数とその割合を集計した。

患者背景及び治療対象眼の主なベースライン特性

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※1 predominantly classic型とpure classic型が含まれる
※2 3つのサブタイプ〔線維血管系網膜色素上皮剥離(pigment epithelial detachment:PED)、漿液性PED及び後期漏出〕のうち少なくとも1つが存在する場合

日本において承認されたベオビュの用法及び用量(抜粋)

〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を4週ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。

日本において承認されたベオビュの用法及び用量に関連する注意(抜粋)

〈効能共通〉
7.1 臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。

〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉
7.2 維持期においては、定期的に疾患活動性を評価し、疾患活動性を示唆する所見が認められた場合は、投与間隔を8週とすること等を考慮すること。
[電子添文17.1.1、17.1.2参照]

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