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関節所見ライブラリ
Vol.11[足の痛みで紹介:解説]【医療関係者用】
<症例> | 50代男性 |
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<主訴> | 足の痛みで紹介 |
<既往歴> | 軽度の尋常性乾癬で近医皮膚科フォロー中 |
<家族歴> | 特になし(乾癬、IBD、AS、ぶどう膜炎、RAなし) |
(症例提供・監修) 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科 准教授 岸本 暢将 先生
診断名
体軸性乾癬性関節炎
鑑別診断
痛風性関節炎、反応性関節炎、RA
検査、原因
中年男性に発症した、単関節炎とその周囲炎(Psoriatic onycho-pachydermo periostitis:POPP)。血清反応陰性で、尿酸値は正常。尋常性乾癬あり、足趾に爪病変をみとめた。また詳細な病歴聴取にて2週間前から炎症性腰背部痛を認めたため、脊椎の側面および骨盤正面単純X線検査を行うも異常なし。その後仙腸関節および全脊椎MRIを施行し(図3a:T2FS, b:T2FS, c:T1)、左仙腸関節に骨髄浮腫の所見を数スライスにわたりみとめ、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(体軸性乾癬性関節炎)と診断した。
痛風も鑑別にあがるが、乾癬を認め、足趾の炎症部に爪病変およびX線では骨新生像をみとめ、体軸病変の合併も考えるとPsAで合致。
ASAS/SPARTANから、2024年体軸性脊椎関節炎を疑ったときに施行するMRI撮像法についての標準化の提案があった(4つの撮像法:1.S2椎体の背側骨皮質に平行した斜冠状断でT1強調画像, 2.同部位でSTIR or T2強調脂肪抑制像、3.同部位のT1強調3Dグラデーションエコー(T1強調脂肪抑制)、4.左記斜冠状断に垂直な斜軸断でSTIR or T2強調脂肪抑制像)(参考文献)
参考文献:Ann Rheum Dis. 2024 Aug 6:ard-2024-225882.
CTX00044JG0001
2024年12月