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関節所見ライブラリ
Vol.02 [両手指の痛み:解説]【医療関係者用】
<症例> | 40代男性 |
<主訴> | 両手指の痛み |
<既往歴> | 関節リウマチ、手指変形性関節症 |
<家族歴> | 特に関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬、IBD、ぶどう膜炎、甲状腺疾患の家族歴なし |
(症例提供・監修) 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科 准教授 岸本 暢将 先生
診断名
乾癬性関節炎(皮膚乾癬のない)
鑑別診断
関節リウマチ、変形性関節症、反応性関節炎
検査、原因
炎症性のDIP関節病変をみとめ、身体診察を再度行い確認すると手指に爪病変(写真3)、さらに足に指趾炎を認めた(写真4)。単純X線では、DIP関節周囲の骨新生像・靭帯骨棘形成および中節骨末端の骨びらん、特に左第5指DIP関節にはPencil-in-cup変形を認める(写真5)。以上から、最終診断としてRAにOAが合併した状態ではなく、当初から皮疹のない関節症状が先行したPsAであったと判断して、生物学的製剤を開始した。
この患者さんでは3年後に皮膚の乾癬も発症した。今回の症例のような、関節炎先行型のPsAの場合、RAでは通常みられないDIP関節の関節炎、同部位のOAでは説明のつかない骨新生とびらんの混在するX線異常、爪病変、指趾炎(その他付着部炎)の有無が重要となる。また現時点で乾癬がなくても第2親等内に乾癬やPsAの家族例がないかも確認をするようにしたい。
写真3 右手4指 爪病変
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写真4 左足4指指趾炎
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写真5 両手X線写真
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CTX00023JG0001
2023年5月作成