LT-001試験 ゾルゲンスマ
ゾルゲンスマはCL-101試験、LT-001試験、CL-303試験、CL-304試験及びCL-102試験の成績に基づき承認された。参考として海外長期投与試験(LT-101試験)において、承認時までに得られている結果を示した(有効性:2019年5月31日カットオフ、安全性:2019年3月8日カットオフ)。 |
3)Ⅰ型SMA患者を対象とした海外長期投与試験
〔LT-001試験〕(海外データ)14)
14)社内資料:CL-101試験の長期観察試験(LT-001試験)〔承認時参考資料(承認時に評価された資料)〕
1. 試験概要
目 的
先行試験であるCL-101試験においてゾルゲンスマで治療されたⅠ型SMA患者に対する長期安全性を評価する。
対 象
CL-101試験に登録された患者のうち、ゾルゲンスマの投与後2年以上経過した患者 最大15例
―登録基準―
|
方 法
観察的、長期安全性フォローアップ試験。
5年間毎年来院、その後10年間電話で毎年連絡を行い、最長15年間の継続的な安全性モニタリングを行う。
試験デザイン
安全性評価項目
- 病歴と記録レビュー
- 身長、体重、バイタルサイン、呼吸補助、栄養補助、身体検査
- 臨床検査値
有効性評価項目
運動マイルストーン
解析計画
本試験は、安全性を主要評価項目とする長期フォローアップ試験である。サンプルサイズは、統計的妥当性によって決定していない。
患者背景
(2019年5月31日カットオフ)
CL-101試験を完了した15例のうち13例〔CL-101試験におけるコホート1(3.7×1013vg/kg※2)が3例、コホート2(1.1×1014vg/kg※2)が10例〕がLT-001試験に登録され、継続中であった。ゾルゲンスマ投与後の観察期間(最小値~最大値)は4.1年(3.5~5.1年)であった。なお、試験中に7例でヌシネルセンが投与された。
※ 2 :初期開発段階の定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)法による測定では、コホート1は6.7×1013vg/kg、コホート2は2.0×1014vg/kgであったが、より正確な液滴デジタルポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR)法で測定したところ、それぞれ、3.7×1013vg/kg、1.1×10 14vg/kgと確認された。
承認された【用法及び用量又は使用方法】(一部抜粋) 通常、体重2.6kg以上の患者(2歳未満)には、1.1×1014ベクターゲノム(vg)/kgを60分かけて静脈内に単回投与する。 |
2. 有効性
(2019年5月31日カットオフ)
(1)データカットオフ時における運動マイルストーン評価
登録された13例全例(コホート1が3例、コホート2が10例)で、CL-101試験の期間中に得られた運動マイルストーンの達成が維持されており、新たに2例(患者11及び14)で「補助ありで立つ」ことが可能となった。
長期フォローアップ期間で新たに達成された運動マイルストーン(コホート2※1)
3. 安全性
安全性解析対象集団
(2019年3月8日カットオフ)
本試験では、重篤な有害事象及び特に注目すべき有害事象のみを収集した。データカットオフ時において、安全性解析対象集団13※例中(CL-101試験のコホート1:3例、コホート2:10例、以下同順)、有害事象は6例(46.2%)〔1例(33.3%)、5例(50.0%)〕に認められたが、いずれの有害事象もゾルゲンスマとの因果関係は否定された。収集された有害事象はいずれも重篤な有害事象であった。なお、データカットオフ時までに死亡例は認められなかった。
※:15例がCL-101試験を完了したが、うち2例が地理的な要因及び両親の判断のために本試験に登録されなかった。
重篤な有害事象
承認された【用法及び用量又は使用方法】(一部抜粋) 通常、体重2.6kg以上の患者(2歳未満)には、1.1×1014ベクターゲノム(vg)/kgを60分かけて静脈内に単回投与する。 |