ジャカビ FAQ

製品FAQは医療に従事する先生方からよくご質問いただく内容をまとめたものです。記載している情報はあくまで参考情報としてお取り扱いいただき、医療上のご判断は医療従事者の裁量と責任のもとに行っていただきますようお願い致します。
製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書(電子添文)をご確認ください。製品に関してご不明な点がございましたら、弊社お問い合わせ窓口にお問い合わせください。

 

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1.特定の背景を有する患者

腎機能障害のある患者に対してジャカビを開始する場合、投与量の調節は必要ですか?

腎機能障害患者にジャカビを投与する場合は、活性代謝物の血中濃度が上昇することにより血球減少等の有害事象の発現リスクが増加する可能性があるため、減量を考慮してください。また、ジャカビ投与中は、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意してください1)

健康被験者(CLcr80mL/min超)、軽度腎機能障害患者(CLcr50 ~ 80mL/min)、中等度腎機能障害患者(CLcr30 ~ 49mL/min)、重度腎機能障害患者(CLcr30mL/min未満)及び透析を受けている末期腎機能障害患者にジャカビ25mgを単回経口投与したとき、未変化体の血漿中濃度に大きな違いは認められませんでした1)

一方、8種類の活性代謝物のAUC(合計)は、未変化体のAUCに対して、健康被験者で61%、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者で79%、117%及び173%、投与前及び投与後に透析を行った患者で346%及び297%で、腎機能障害の重症度の上昇により増加する傾向が認められました1)
 

 

(参考)

1) ジャカビRMP資材 適正使用に関するQ&Aと臨床試験成績 Q.8

肝機能障害のある患者に対してジャカビを開始する場合、投与量の調節は必要ですか?

肝機能障害患者にジャカビを投与する場合は未変化体の血中濃度が上昇し、血球減少などの有害事象の発現リスクが増加する可能性があるため、減量を考慮してください。また、GVHDに伴う肝病変(総ビリルビン値が正常値の上限の3倍以上)を有する患者では、肝機能低下に注意が必要なことからより頻回に血球数を測定し、必要に応じて投与量を調節してください1)

なお、ジャカビの投与により肝機能障害の発現が報告されております。ジャカビ投与中は、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分に注意してください。異常が認められた場合は、ジャカビを減量、休薬、中止するなど適切な処置を行ってください1)

健康被験者及び軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)、重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)にジャカビ25mgを単回経口投与したとき、AUCは、健康被験者に比べてそれぞれ87%、28%及び65%高かったものの、3つの患者群間で重症度とAUCの間に明確な関係は認められませんでした。健康被験者に比べて、Cmaxに差は認められませんでしたが、半減期は健康被験者(2.8時間)に比べて肝機能障害患者(各患者群で4.1 ∼ 5.0時間)で延長しました1)
 

 

(参考)

1) ジャカビRMP資材 適正使用に関するQ&Aと臨床試験成績 Q.9

ジャカビを妊婦に投与してもよいですか?

妊婦又は妊娠している可能性のある女性にはジャカビの投与は禁忌に設定されているため、投与できません1)

受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験(ラット、ウサギ)において、胚・胎児毒性(着床後死亡の増加、胎児重量の減少)が認められていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性にはジャカビの投与は禁忌に設定されました。このため、妊娠又は妊娠している可能性のある女性にはジャカビを投与しないでください。妊娠する可能性のある女性に対しては、ジャカビ投与中において避妊する必要性及び適切な避妊法を説明してください1)
 

 

(参考)

1) ジャカビ電子添文 2.2、9.4、9.5

2.効能又は効果

ジャカビ内用液は成人の造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の患者や骨髄線維症、真性多血症の患者に使用してもよいですか?

ジャカビ内用液は小児用製剤であり、12歳未満の造血幹細胞移植後の移植片対宿主病患者(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)のみを効能又は効果として承認されています1)
錠剤で承認されている骨髄線維症(成人)、真性多血症(成人)、また、12歳以上の造血幹細胞移植後の移植片対宿主病患者さんへの投与は承認されていませんので、ご使用できません。

 

ジャカビ電子添文 4. 効能又は効果、6. 用法及び用量より1)

 内用液小児用0.5%錠5mg・10mg
効能又は効果造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)○骨髄線維症
○真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)
○造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)
用法及び用量〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉
通常、6歳以上12歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回5mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。
通常、6歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回4mg/m2を1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。

〈骨髄線維症〉 
通常、成人には本剤を1日2回、12時間毎を目安に経口投与す る。用量は、ルキソリチニブとして1回5mg~25mgの範囲と し、患者の状態により適宜増減する。

〈真性多血症〉
通常、成人にはルキソリチニブとして1回10mgを開始用量と し、1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態に より適宜増減するが、1回25mg1日2回を超えないこと。

〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉 
通常、成人及び12歳以上の小児にはルキソリチニブとして1回 10mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状 態により適宜減量する。
通常、6歳以上12歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回 5mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態 により適宜減量する。

 

 

(参考)

1) ジャカビ電子添文 4、6

3.用法及び用量

骨髄線維症及び真性多血症患者でジャカビの投与を中止する場合の注意点はありますか?

骨髄線維症及び真性多血症患者を対象とした臨床試験において、本剤中止後に有害事象の発現が報告されています補)。また、骨髄線維症においては、本剤中止後、約1週間以内に骨髄線維症の症状(疲労、骨痛、発熱、そう痒症、寝汗、症候性脾腫及び体重減少等の臨床症状)が再発する可能性があります1)

本剤の投与を中止(休薬含む)する場合には、緊急の投与中止が必要でない限り、骨髄線維症症状の再燃の徴候等、患者の状態を注意深く観察しながら漸減投与を考慮してください1)

なお、真性多血症においては、投与を中止した症例が少なく、ジャカビ中止後の真性多血症の症状再発に関して、明確な結論は得られていません1)

 

<補足情報>
骨髄線維症患者を対象とした臨床試験(251試験、351試験、A2352試験):
本剤の投与中止後、55例(301件)の重篤な有害事象が報告され、このうち15例(27.3%)は骨髄線維症の関連症状に一致する事象で、骨髄線維症の疾患進行と考えられました1)

真性多血症患者を対象とした臨床試験(B2301試験):
本剤の投与中止後、2例(4件)に重篤な有害事象(急性白血病、うっ血性心不全、脾破裂、腰椎骨折)が報告されました。なお、データカットオフまでにジャカビ中止後に真性多血症の症状再発と考えられる症例は認められませんでした1)
 

 

(参考)

1) ジャカビRMP資材 適正使用に関するQ&Aと臨床試験成績 Q.25

ジャカビ服用患者での手術前後に休薬は必要ですか?

ジャカビ服用中の患者における手術前後に休薬する必要性及び休薬期間などは明らかではありません。 

なお、ジャカビの電子添文では、重大な副作用として、血球減少(血小板減少、貧血)、出血及び感染症などを示しています1)
個々の患者の状態や手術後の出血、感染症のリスク、ジャカビによる副作用のリスクをふまえて、ジャカビの休薬の必要性を検討してください。 

なお、ジャカビを休薬する場合は、合わせて「骨髄線維症及び真性多血症患者でジャカビの投与を中止する場合の注意点はありますか?」のQ&Aも参考にしてください。
 

 

(参考)

1) ジャカビ電子添文11.1 

ジャカビ錠とジャカビ内用液の切替えは可能ですか?

錠剤と液剤の生物学的同等性は示されていないため、可能な限り錠剤と液剤の切替えを避けてください。やむを得ず切り替える場合には、患者の状態を慎重に観察してください1)

 

 

(参考)

1) ジャカビ電子添文 7.11

4.安全性

骨髄線維症の臨床試験では、感染症に対する予防投与は規定されていましたか?

骨髄線維症患者を対象とした海外第Ⅲ相試験[351試験、A2352試験]及び国際共同第Ⅱ相試験[A2202試験]、真性多血症患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験[B2301試験]のいずれの試験でも、帯状疱疹、結核、B型肝炎及びその他の感染症(細菌性、ウイルス性又は真菌性)に対する予防投与の規定は設けていませんでした1)

骨髄線維症患者を対象とした各臨床試験でいずれかの時期に「感染症の予防投与を行ったと考えられる患者」、「そのうち感染症を発現した患者」及び「感染症を発現しなかった患者」は、それぞれ351試験で12例、6例及び6例、A2352試験で13例、10例及び3例、A2202試験で11例、9例及び2例であり、感染症の予防投与の有無を問わず、ほとんどの感染症は回復していました。
なお、活動性の細菌、真菌、マイコバクテリア、ウイルス感染を有する患者は、臨床試験のスクリーニング時に除外していました1)


データカットオフ A2202試験:2013年6月
351試験:2010年11月
A2352試験:2011年1月

 

以上のように骨髄線維症患者を対象とした臨床試験の結果から予防投与の有用性について結論づけることはできませんでしたが、感染症はジャカビの作用機序から発現が予測される副作用であり、各臨床試験において帯状疱疹、尿路感染、結核等の重篤な感染症や日和見感染症が報告されています。特にB型肝炎ウイルスキャリアや既往感染(HBs抗原陰性かつHBc抗体もしくはHBs抗体陽性)の患者では、ジャカビの免疫抑制作用によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれるおそれがあります。ジャカビ投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化するおそれがありますので、ジャカビ投与に先だって肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、再活性化リスクのある患者においては、専門医にご相談のうえ、ジャカビの投与開始前に適切な処置の実施を考慮してください1)
 

 

(参考)

1) ジャカビRMP資材 適正使用に関するQ&Aと臨床試験成績 Q.23

5.製剤

ジャカビ錠は粉砕して投与してもいいですか? また、簡易懸濁法で投与してもいいですか?

ジャカビ錠を粉砕して投与すること、あるいは、懸濁して投与することは、承認外の用法となります。粉砕、あるいは、懸濁して投与した際の有効性、安全性、薬物動態は確立していませんので、弊社からは推奨していません。

本質問に関連する製剤の安定性については、以下までお問い合わせください。
製品についてのお問い合わせ(ノバルティスダイレクト)
電話番号: 0120-003-293 (通話料無料)
受付時間:月~金 9:00~17:30 (祝日及び弊社休日を除く)
電話がご利用いただけない場合は、医療関係者の方専用 お問い合わせフォームをご利用ください。

ジャカビ錠は一包化してもいいですか?

ジャカビ錠はPTP包装から取り出し、一包化することは推奨しておりません。 
ジャカビ錠を一包化した際の安定性データはなく、影響は不明です。 

ジャカビ内用液は別の容器に小分けして用いるのですか

ジャカビ内用液は、1瓶(60mL)の中で、付属のシリンジを用いて1回投与量を取り出し使用いただきます。小分け後の安定性を検討しておらず、別の容器に小分けして使用、保管することは避けてください。
なお、瓶の開封後は、60日以内にご使用ください1)

 

 

(参考)

1) ジャカビ電子添文 20. 

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