クリオピリン関連周期性症候群(CAPS) 海外臨床試験 ②クリオピリン関連周期性症候群(第III相/D2306試験)<海外データ>3)

イラリス 臨床成績

「効能又は効果」、「用法及び用量」、「禁忌を含む使用上の注意」、「効能又は効果に関連する使用上の注意」、 「用法及び用量に関連する使用上の注意」については添付文書をご参照ください。

海外臨床試験
②クリオピリン関連周期性症候群(第III相/D2306試験)<海外データ>3)

(1)試験デザイン

目 的:

CAPS患者を対象に、イラリスの長期投与時の安全性及び忍容性を検討する。

評価項目:

1)有効性(有効性評価は副次目的であり、主要及び副次評価項目は設定しなかった。)

   ・    寛解して再燃しなかった患者の割合
   ・    サブグループ解析:フェノタイプ別の寛解した患者及び再燃しなかった患者の割合
   ・    炎症マーカーの推移
   ・    医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価
2)安全性
3)免疫原性(抗カナキヌマブ抗体)

試験方法:

非盲検、非対照、長期投与、多施設共同試験

対 象:

FCAS、MWS、NOMID患者166例(イラリスによる治療未経験患者109例<3~17歳の患者38例を含む>、A2102試験(16頁参照)及びD2304試験(27頁参照)からの移行例57例<5~ 17歳の患者9例を含む>)

   ・    3歳以上
   ・    FCAS、MWS、NOMIDと診断された患者、イラリス治療未経験例では組入れ時に薬物治療を要する症状を有する

投与方法:

治療未経験例には初回用量として、体重40kgを超える患者にはイラリスを1回150mg、体重40kg以下の患者には1回2mg/kgを8週毎に皮下投与し、寛解が得られない場合又は再燃がみられた場合には1回最高用量として600mg又は8mg/kgまで漸増し、6ヵ月~最長2年間投与した。なお、必要に応じて投与間隔の調整及び減量も可能とした。
D2304試験で投与間隔を短くした患者、A2101試験でレスキューが必要になった患者は、初回投与を300mg、4㎎/kgとした(承認用法・用量外)。

投与スケジュール:

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解析計画:

1) 有効性
カナキヌマブ ナイーブに投与して完全寛解した患者及び試験移行した患者を対象に、最終評価時までに再燃しなかった患者数及び割合を示した。
医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価の各項目に対する、各評価時点での患者数及び割合を度数分布表に示した。更に、臨床評価の各項目(皮膚疾患の評価など)を示した。
CRP及びSAAは、実測値及びベースラインからの変化量の記述統計量を示した。

判定基準:

<寛解、再燃及び部分寛解の定義>を参照

<イラリスの漸増方法>

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<寛解、再燃及び部分寛解の定義>

■寛解(以下の項目すべてを満たす場合)

  • 医師による自己炎症性疾患活動性※1の総合評価※2が軽微以下
  • 皮膚疾患の評価※2が軽微以下
  • CRPが10mg/L(=1mg/dL)未満又はSAAが10mg/L(=10μg/mL)未満

■再燃(寛解した患者において、同一日の評価で以下の項目すべてを満たす場合)

  • CRP又はSAAが30mg/L超
  • 医師による自己炎症性疾患活動性※1の総合評価※2が軽度以上、又は医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価※2が軽微かつ皮膚疾患の評価※2が軽度以上

■部分寛解(以下の項目すべてを満たす場合)

  • CRP 及び/又はSAA がベースラインより30%超減少したが、10mg/L 以上
  • 医師による自己炎症性疾患活動性※1の総合評価※2がベースラインより一段階以上改善

※1 評価項目:
皮膚疾患の評価(蕁麻疹様皮疹)、関節痛、筋痛、頭痛及び片頭痛、結膜炎、疲労及び倦怠感、自己炎症性症候群に関連する症状の評価、自己炎症性症候群に関連しない症状の評価
※2 評価基準:
なし、軽微、軽度、中等度、重度の5段階評価

(2)患者背景

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(3)寛解して再燃しなかった患者の割合

治療未経験例の109例中85例(78.0%)が、医師により完全寛解と判定された。ただし、この中には、CRP及びSAAの結果が得られておらず完全寛解の定義に合致していなかった患者1例も含まれている。
本試験の評価対象である治療未経験例、及び他試験からの移行患者で投与終了時までに再燃が一度もみられなかった患者は、試験全体で166例中127例(76.5%)であった。
試験全体の166例から、治療未経験例で寛解しなかった患者及び他試験からの移行患者のうち、CRP及びSAAの検体が得られず医師が再燃を判定できなかった1例、並びに、CRP及びSAAの検体が得られず医師が完全寛解を判定できなかった1例を除いた患者では、141例中127例(90.1%)であった。

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(4)サブグループ解析結果:フェノタイプ別の寛解して再燃しなかった患者の割合

治療未経験例で寛解した患者は、FCAS患者で29例中27例(93.1%)、MWS患者で53例中40例(75.5%)、NOMID患者で26例中18例(69.2%)と、フェノタイプが重症化するにつれ寛解した患者の割合が減少した。
再燃を判定できなかったFCAS患者1例を除いた治療未経験例で寛解した患者及び他試験からの移行患者のうち、投与終了時まで再燃が一度もみられなかった患者は、FCAS患者で27例中25例(92.6%)、MWS患者で90例中81例(90.0%)、NOMID患者で24例中21例(87.5%)であった。

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(5)炎症マーカー(CRP、SAA)の経時推移

CRP及びSAAはイラリス投与後57日より減少し、24週(169日)以降もCRPは血清学的寛解基準(10mg/L)を維持し、SAAは低値を維持した。

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(6)医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価及び皮膚疾患の評価

医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価及び皮膚疾患の評価はいずれも、イラリス投与後に重症度が改善し、投与後1年を超えても、ほとんどの患者がなし又は軽微と判定された。

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(7)副作用

副作用は166例中52例(31.3%)に認められた。主な副作用は、頭痛6例(3.6%)、回転性めまい、口唇乾燥、妊娠時の薬物暴露、体重増加、皮膚乾燥がいずれも3例(1.8%)であった。
死亡例はみられなかった。重篤な副作用は4例(頭痛、腹部膿瘍、扁桃炎、パートナーの自然流産及び妊娠時の薬物曝露が各1件)であった。薬剤投与中止に至った副作用は2例(脱髄、血清病様反応)であった。

(8)免疫原性

いずれの患者においても抗カナキヌマブ抗体は認められなかった。

主要文献
3) 社内資料:外国人クリオピリン関連周期性症候群患者を対象とした長期投与試験(D2306)(承認時評価資料)

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Source URL: https://www.pro.novartis.com/jp-ja/products/ilaris/caps/clinical_03