ゾレア 製品について 有効性と安全性(成人)
「禁忌を含む使用上の注意」等はこちらをご参照ください。 |
※ ゾレア皮下注シリンジは、ゾレア皮下注用(凍結乾燥製剤)と薬物動態を比較した「生物学的同等性試験」の成績をもとに承認されたため、気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)及び特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)の患者を対象とした国内臨床試験は実施されておりません。
成人に対する臨床効果
2.国内第Ⅲ相成人臨床試験(長期投与、1307試験)1)2)
1) 社内資料:喘息患者を対象とした国内臨床試験 1307 試験 〔XOLU00007〕 (承認時評価資料)
2) Ohta, K. et al.: Allergol. Int. 59(2), 167, 2010 〔XOLM00054〕
本研究はノバルティスが実施しました。試験デザイン、データ収集、データ解析、中断、レポートの執筆の役割を担いました。
本試験で用量設定に用いた投与量換算表は現在承認されている投与量換算表と異なるため、現在の承認内容とは異なる用量での成績が含まれますが、承認時に評価された資料であるため紹介します。 |
(1)試験デザイン
目的
気管支喘息患者を対象に、ゾレアの長期投与時における安全性及び有効性を48週間のオープン試験により検討する。
試験方法
多施設共同(24施設)オープン試験
主要評価項目
有害事象、臨床検査値などの安全性
副次評価項目
呼吸機能検査値などの有効性
対象
JGL(喘息予防・管理ガイドライン)1998改訂版で推奨されている長期管理薬では十分にコントロールできていない中等症から重症の成人気管支喘息患者133例
投与方法
オマリズマブ(遺伝子組換え)として1回150~375mgを4又は2週間隔で48週にわたり皮下に注射した。1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度及び体重に基づき、投与量換算表(なお、現在承認されている投与量換算表とは異なる)により設定した。
解析計画
安全性はSafety population(SAF)を評価対象とし、治験薬投与期間中に発現した有害事象及び副作用について頻度集計した。
有効性の評価は、主たる解析対象集団をFull analysis set(最大の有効性解析集団:FAS)とし、ピークフローメーターで測定した朝のPEFについて2週毎のデータをベースラインのデータと比較した。
本試験で対象となった中等症~重症の気管支喘息患者のうち、喘息治療薬の内容及び喘息症状の程度から疾患重症度が高いと判断される患者(uncontrolled population)をサブグループ解析対象とし、本剤の有効性及び安全性を探索的に検討した。
投与スケジュール
4. 効能又は効果(抜粋) 〇 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋) <気管支喘息> 5.1 高用量の吸入ステロイド薬及び複数の喘息治療薬を併用しても症状が安定せず、通年性吸入抗原に対して陽性を示し、体重及び初回投与前血清中総IgE濃度が投与量換算表で定義される基準を満たす場合に本剤を追加して投与すること。症状が安定しないとは、下記の症状のいずれかが改善しないことを示す。 成人の場合
<気管支喘息> 7.5 用法及び用量どおり、16週間使用しても効果が認められない場合には、漫然と投与を続けないよう注意すること。 |
(2)安全性[ 主要評価項目 ]
有害事象は98.5%(131/133例)、副作用は45.9%(61/133例)に認められた。
発現率が5%以上であった副作用は、注射部位紅斑19例(14.3%)、注射部位腫脹13例(9.8%)、注射部位そう痒感9例(6.8%)、注射部位疼痛8例(6.0%)であった。
重篤な副作用は蕁麻疹が1例(0.8%)に認められた。
また、有害事象による投与中止例は2例(1.5%)であり、鉄欠乏性貧血/裂孔ヘルニア、蕁麻疹各1例(0.8%)であった。
死亡例は1例(0.8%:喘息)認められたが本剤との因果関係は否定された。
(3)朝のPEF[ 副次評価項目 ]
FASにおける朝のPEFはベースライン(平均値±標準偏差 343.3±114.18L/min)に比べゾレア投与15~16週で356.7±117.62L/min、投与47~48週では360.6±111.59L/minであった。
(4)Uncontrolled population*1における朝のPEF[ 探索的検討 ]
[ サブグループ解析結果 ][ 副次評価項目 ]
より重症度の高い患者において、ゾレアの投与による朝のPEFの推移は下図の通りであった。
*1 Uncontrolled population:1307試験対象患者133例中、以下に示す【1】及び【2】両方の基準に合致する部分集団37例
【1】前治療に関して以下のいずれかに該当する被験者
- ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(CFC-BDP) 800μg/ 日(あるいは相当量)以上*2の吸入ステロイド薬に加えて、長時間作用性β2 刺激薬、テオフィリン、 又はロイコトリエン拮抗薬のうち2剤以上を使用している
- 800μg/日(あるいは相当量)以上の吸入ステロイド薬に加えて経口ステロイド薬を使用している
【2】喘息症状に関して以下のいずれかに該当する被験者
- ベースラインでのFEV1.0が予測正常値の80%未満である
- 喘息症状が毎日認められる
- 喘息症状により眠れない日が1日/週以上である
*2 ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(BDP)の成人における本邦承認用量は800μg/日までである。
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